ヴィンテージウォッチを身につけると、その時計がもつオーラが気持ちを変化させてくれることがあります。
時に子どもの頃のようなわくわく感であったり、凛とした大人な気分であったり。
今回はそれぞれに時を重ねたヴィンテージウォッチの魅力を、モデルや女優として活躍する田中シェンさんに綴って頂きました。
今回、田中さんが選んだのは、グッチの「チェンジベゼル」と「3000.2.L」の二本。
01. グッチ「チェンジベゼル」
反時計回りに回転すればベゼルが外れ、その日の気分やコーディネートに合わせて簡単に付け替えできる、通称「チェンジベゼル」。 12色のカラフルなプラスチックベゼルが付属。アクセサリーのようにバングル感覚で着用できる腕時計です。
02. グッチ「3000.2.L」
グッチのアイコンカラーともいえるシェリーライン、レッドとグリーンがダイヤルを彩る腕時計。 ベゼルにローマンインデックスが刻まれており、クラシカルな雰囲気溢れる一本。 尾錠・裏蓋・りゅうずなど、随所にグッチのマークがあしらわれています。
< 時計は私をオンにしてくれるもの >
時計をつけると背筋がピンっとなって“働くモード”になります。
モデルという職業柄、撮影で脱いだり着たりをする事が多いので、あまり時計をつけないのですが、 俳優業を始めてからは「普通の生活」に焦点を合わせるようになりました。
元々、会社員だった事もあり、入社祝いには母からMARC JACOBSの時計をプレゼントされた事を覚えています。 会社員時代には毎日一緒に働いていた相棒。
今でもたまにつけると「よし! やるぞ!」とポジティブな気持ちにさせてくれるお守りになっています。
< ヴィンテージウォッチと共に歴史をまとう >
さて、私にとってヴィンテージウォッチの魅力は、何といっても歴史です!
前のオーナーに大切にされてきたからこそ、時を超えて、オーラを携えて我々の前に座っている! そこに現代の自分のファッションを加える。まさしく古今のコラボレーションです。
【GUCCI/チェンジベゼル】
チェックや柄ものが好きな私は、レイヤードスタイルでよく着ています。 同じ素材、同じ色等を重ねる事にはまっているのですが、 バングル感覚で使えるチェンジベゼルは12色のカラフルなプラスチックベゼルが付属していて、差し色でも同色でも使える。
いつもはシェリーラインできちっとしめて、週末に色であそぶ。 まるで小さい頃に遊んだバービー人形のようなあそび心でわくわくします。 いつまでも子供と大人の間でありたい私にとって、とても魅力的なデザインです。
【GUCCI/3000.2. L】
こちらの時計は私的に、いかにも「THE VINTAGE WATCH」という佇まいにクラっときました。 一目でわかるシェリーラインのグリーン×レッドの色合いに加え、尾錠、裏蓋、りゅうずなど、随所にGUCCIのロゴがあしらわれているんです。 ロマンチックだと思いました。GGのロゴがまた繊細でかわいいです。 決して主張せず、大和なでしこのように凛とそこに存在する大人の女性なんです。
なので、あえて等身大の自分とコーディネートしたいですね。
いつものコーディネートに、今年初めて買ったMACKINTOSHのロングコートを上からゆるりと羽織って。 袖先からチラリとこの子を覗かせて。いつか本当に大人になった時にこの子と歩幅や刻む時間が合うのだと思います。
< わたし色のヴィンテージウォッチを繋いでいきたい >
小さい頃から、伝統を受け継ぐという事に憧れを持っていました。 自分で買って大切にしていたものをいつか自分の子供にプレゼントして引き継いでもらうみたいな。
時計を買って自分ヴィンテージに育てあげ、いつか訪れるその日まで時間を共にする、そんな一品に出会えた気がします。
(田中シェンさん プロフィール)
モデル、イラストレーター。英語、中国語、日本語を話すトリリンガル。
ファッション雑誌や広告などさまざまな媒体に出演。また独自のコーディネートにも定評がある。 インスタグラムから人気になったイラストは、国民的人気アニメ「ちびまる子ちゃん」とコラボレーションも。 最近は女優として、NHK大河ドラマ「いだてん 東京オリムピック噺」やCX「監察医 朝顔」などに出演し活動の幅を広げている。
毎回ゲストを招いてヴィンテージウォッチについて綴っていただく「今、ほしいのは、ヴィンテージウォッチ」、次回の第6回はついに最終回! ゲストは、元テレビ朝日アナウンサーで現在はフラワーアーティストとして活躍する前田有紀さんにご登場いただきます。
お楽しみに!