#03
TATSUROU KAWAMURA
レザークラフトマンとして自身のブランドを運営する、川村さんが構える目黒区のショップ＆アトリエに潜入。使い込むほどに手に馴染み、その人だけの味を楽しめる革製品。実はGショックにも共通するものがあるという。自身の腕時計の選び方やファッションとしてのこだわりとともに、話を聞いた。
HIS LIFESTYLE
目黒区の閑静なエリアにショップ＆アトリエを構えるブランド、ブラウンブラウン。主宰する川村さんは前職の経験を活かし自身でブランドを立ち上げ。レザーアイテムが特筆して人気となったため、次第にレザーアイテムの専門ブランドになったという。
「ものを作ることが若い頃から好きで、レザークラフトもそのひとつ。ただ、あくまで簡単なものを、自分や友人のために作っていた経験しかなかった。けれどブランドを立ち上げたときに、やってみようの精神ではじめてみたんです。あれよあれよと、多くの人に喜んでもらえるまでになりましたね。やっぱり、やってみようの精神は、けっこう大事かな」
川村さんが手がけるブラウンブラウンの革小物に使われるレザーは、世界的ブランドにも選ばれる日本屈指のタンナーのものに自ら染色。もちろん仕上がりも美しい…にもかかわらず、製品の価格は意外や手頃だ。
「高級ブランドでは使われないレザーを採用しているんです。ほんの少しだけキズやスジなどが残っているけれど、耐久性があって使い込むほどに柔らかくなる、上質なレザーです。それに同じキズやスジは、ふたつとない大きな個性だと私は捉えているんです。同じ製品でも、人とはちょっと違う表情を楽しめます」
HIS G-SHOCK STORY
革を切る、糸を縫う、色を着ける、磨く。個性的で上質なレザーアイテムを生み出す過程すべてで、手を動かす。そんな川村さん、実はミリタリーウォッチのコレクターなんだとか。数あるモデルの中には軍用規格をクリアするものもある、Gショックだった見逃してはいない。
「手を動かす仕事ゆえに、ときには勢い余ってぶつけたり、着色過程で何度も手を洗ったり。そのたびに腕時計を気にしたり外したり、なんて少し面倒ですよね。その点、衝撃はもちろん水に強いGショックは安心して着けていられるから、気に入っています」
タフに使えるGショック。誰もが知るこの特性を持つ1本は、レザーアイテムと共通する点もあると言う。 「タフってことは、長く愛用できるってこと。知らない間にキズがつくこともありますよね。それは使う人が愛用してきた歴史であり、個性だと思うんです。私が手がけるレザーアイテムと同じで、自然と手に馴染み、個性的な表情が現れてくる。そんな時計って、なかなかないですよね？これからもガシガシ使って、僕ならではの表情になるといいなと思いますね」
最近は、永遠の定番スタイルとして人気の5600シリーズを愛用。特に黒で統一したトーンに魅力を感じているようだ。 「ヴィンテージ服が好きでよく着ていますが、あまりにカラフルなものだと、僕のスタイルには合わない。大人にも着けやすい、こんなシックな色も選べるという、デザインの選択肢が多い点もGショックのメリットじゃないかな」
1984年、東京都生まれ。アパレル会社の生産管理を経て独立し、2012年に自身のブランド、ブラウンブラウンを設立。自ら手がけるレザーグッズが好評となり、2017年に工房を併設する専門ショップを目黒区中央町にオープン。
Instagram：@brownbrown.tokyo
Photo：正重智生（BOIL）
Edit&Text：八木悠太
